
ロードサービスの世界に飛び込んでくる新人さんの中には、未経験の方も少なくありません。
新しい環境、未知の仕事。期待の一方で、「自分はここでやっていけるのか」「生活は安定するのか」といった不安を抱えるのは当然のことでしょう。
先日、そんな新人さんたちの心境を代弁するつもりで、ふと社長に問いかけてみました。
「新人さんの中には未経験の人もいますよね。社長は彼らに、どんな期待をしていますか?」
答えは、私の予想よりも遥かに早く、そして力強いものでした。
社長は間髪入れずこう言いました。
「まずは周りを気にせず、自分の技術を磨くことだね。よそのほうが給料がいいらしいと外ばかり見ても意味がない。うちは腕が上がれば、給料も自然とついてくるから」
この言葉には、職人としての本質が詰まっています。
今の時代、少し検索すれば他社の求人情報はいくらでも目に入ります。「あっちの方が月給が高い」「こっちは手当が厚い」。そうやって他所と比べて一喜一憂してしまう気持ちは分かります。
しかし、社長が言いたいのは「よそ見をしている時間があるなら、その時間を技術習得に使ったほうが、結果的に一番の近道だ」ということです。
技術がないうちから待遇ばかりを気にしても、自身の価値は上がりません。逆に、確かな技術さえ身につけてしまえば、それは一生モノの財産となり、当社では必ずそれが報酬として返ってくるのです。
さらに社長の言葉は続きます。
「『いくらもらえますか?』ばかり口にする子は伸びにくい気がする。でも黙々と練習している子は、現場に欠かせない隊員になるんだよ」
これは非常に興味深い洞察です。
報酬を気にすることが悪いわけではありません。しかし、意識の矢印が「お金」に先に向いている人と、「技術向上」に向いている人とでは、成長のスピードに圧倒的な差が出るというのです。
ロードサービスの現場は、毎回状況が異なります。マニュアル通りにいかないことも多い。
そんな時、最後に頼りになるのは、日々の黙々とした練習の積み重ねです。誰も見ていないところでロープワークを練習したか、機材の特性を理解しようとしたか。その「静かな努力」こそが、現場での応用力となり、お客様を助け、ひいては自分自身を守ることになります。
結果として、現場で欠かせない隊員となり、会社からも重宝され、収入も上がる。これが順序なのです。
「静かな努力の積み重ねが現場での活躍に繋がる。そして、その頑張りを報酬でしっかり評価する。それがトルクのやり方」
今回の会話を通じて、改めて当社のあり方を再確認しました。
「技術を磨け」と言うだけなら簡単です。しかし、そこには「磨いた技術は必ず評価する」という会社側の覚悟と約束がセットでなければなりません。
当社には、日々の努力を見逃さず、しっかりと評価する仕組みがあります。
だからこそ、新人隊員の皆さんには伝えたいのです。
「評価されるだろうか」という余計な不安を持つ必要はありません。
あなたはただ、目の前の技術習得に没頭してください。
昨日できなかったことが、今日できるようになる。そのプロセスを楽しんでください。
安心して腕を磨ける環境が、ここにはあります。
一人前のロードサービス隊員として、あなたが現場で輝く日を、私たちは全力でバックアップします。
